手汗の原因と対策

多汗症の治療には当然外科手術もあります。これは発汗を作用している交感神経をブロックするという方法で、手のひらの汗を抑制しようとする場合は、胸腔鏡（スコープ）を使って胸部交感神経を遮断する胸腔鏡下交換神経切除術が行われます。


麻酔は全身に施し、脇の下の皮膚を数ミリ切って行われ、胸腔鏡の状況は大きなモニター画面で映し出されて電気メスで焼き切ってしまいます。この方法は手術時間は短かく、傷口も小さくて目立たない場所なので、患者への負担は少ないことから多く選択されているようです。


しかし、手のひらの汗は抑制されるものの、場合によっては代償性発汗が起こることもあり、これは事前に予測することは難しいうえ個人差があるので、留意しておかなくてはなりません。


代償性発汗とは、手のひらから汗が出なくなる代わりに他の場所から出る汗の量が増えてしまうという現象のことで、特に代償性発汗では胸の下の汗が多くなる傾向があります。


その他にも頭痛、喉の渇き、手から汗が全く出なくなることを原因とした手のひび割れ等も可能性があり、あくまでこうした除術は手掌多汗症に悩む人の最終手段だと思ってください。


手術を一度行うと、切除した交感神経は元には戻りませんから、副作用で後悔しても手遅です。まずはそれ以外の対処方法を実践してからでも遅くはありません。